SONY α7 V レビュー|30コマ/秒連写とAI認識AFで「ベーシック機」の常識が変わる

「α7 IVから買い替える価値はあるのか」「Canon EOS R6 IIIやNikon Z6 IIIと比べてどうなのか」。SONY α7 V(ILCE-7M5)の購入を検討している方なら、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。

4年ぶりのフルモデルチェンジとなったα7 Vは、ソニーのフルサイズミラーレス「ベーシックモデル」でありながら、フラッグシップ機α1 IIにも迫る性能を手に入れました。30コマ/秒のブラックアウトフリー連写、AIプロセッシングユニットによる被写体認識AF、そしてシャッターを押す前の瞬間まで記録できる「プリ撮影」機能。これまで上位機種でしか味わえなかった撮影体験が、約42万円で手に入るようになったのです。

この記事では、α7 Vの進化ポイントから実際のユーザー評価、競合機種との比較まで、購入判断に必要な情報を整理してお伝えします。

目次

この機種が注目されている理由

ソニーのα7シリーズは、2013年に世界初のフルサイズミラーレスカメラとして登場して以来、ミラーレスカメラ市場をリードしてきました。その中でも無印の「α7」は、高画素のRシリーズや高感度のSシリーズとは異なり、静止画と動画のバランスを重視した「スタンダードモデル」として位置づけられています。

α7 Vが注目を集めている最大の理由は、これまで上位機種にしか搭載されていなかった機能が惜しみなく投入されている点です。部分積層型CMOSセンサーの採用により読み出し速度が従来比4.5倍に向上し、電子シャッター時の歪みが大幅に低減されました。さらにBIONZ XR2エンジンとAIプロセッシングユニットの組み合わせにより、被写体認識AFの精度と速度が飛躍的に向上しています。

発売から約1か月で、カメラ系メディアや購入者から高い評価を獲得しており、価格.comの満足度ランキングでもミラーレスカメラ部門で上位に位置しています。

SONY α7 Vの詳細を見る

基本スペック

項目仕様
撮像素子35mmフルサイズ Exmor RS CMOSセンサー(部分積層型)
有効画素数約3300万画素
画像処理エンジンBIONZ XR2 + AIプロセッシングユニット
AF測距点最大759点(位相差AF)
連続撮影速度電子シャッター時 最高約30コマ/秒
動画記録4K 120p / 4K 60p(7Kオーバーサンプリング)
手ブレ補正5軸ボディ内手ブレ補正 最大7.5段
モニター3.2型 約209万ドット 4軸マルチアングル
EVF約368万ドット OLED 倍率0.78倍
質量約695g(バッテリー・メモリーカード含む)
外形寸法約130.3 x 96.4 x 82.4mm

α7 IVと比較すると、センサーの読み出し速度が4.5倍に高速化されたことが最も大きな進化点です。これにより電子シャッター撮影時のローリングシャッター歪みが大幅に低減され、動く被写体の撮影でもより自然な描写が可能になりました。

注目したい機能

30コマ/秒ブラックアウトフリー連写とプリ撮影

α7 Vは電子シャッター使用時に最高約30コマ/秒の高速連写が可能です。しかも撮影中にファインダーが暗転しない「ブラックアウトフリー」対応のため、動く被写体を追い続けながらシャッターを切ることができます。

さらに注目したいのが「プリ撮影」機能です。シャッターボタンを半押しした状態から最大1秒前の瞬間まで遡って記録できるため、「シャッターを押した瞬間には遅かった」という失敗を防げます。子供の運動会で決定的瞬間を逃したくない方や、野鳥撮影で飛び立つ瞬間を狙いたい方には、この機能だけでも購入の決め手になり得るでしょう。

AIプロセッシングユニットによる被写体認識AF

BIONZ XR2エンジンに加えてAI専用の処理ユニットを搭載したことで、被写体認識AFの性能が大幅に向上しています。人物の瞳はもちろん、動物、鳥、昆虫、そして車・列車・飛行機といった乗り物まで、自動で被写体を判別して追従し続けます。

野鳥撮影では、風でススキが揺れるような難条件でも瞳にフォーカスが合っているという報告が多く見られます。認識精度は従来比約30%向上しているとされ、動きの速い被写体や複雑なシーンでもAFが迷いにくくなっています。

AIオートホワイトバランス

光源の種類をAIが自動で推定し、シーンに応じた最適なホワイトバランスを設定する機能も新たに搭載されました。蛍光灯と自然光が混在するような複雑な光環境でも、目で見た印象に近い自然な色味で撮影できます。

これにより「撮って出し」でも満足できる画質が得られやすくなり、RAW現像の手間を減らしたい方や、撮影した写真をすぐにSNSにアップしたい方には大きなメリットとなります。

最大16ストップのダイナミックレンジ

メカシャッター使用時には最大約16ストップという広いダイナミックレンジを実現しています。逆光シーンや明暗差の激しい風景撮影でも、白飛びや黒潰れを抑えた階調豊かな描写が可能です。

高感度性能も優秀で、ISO 5000程度ではノイズがほとんど気にならないレベルとの評価があります。星空撮影で常用される感度域でもノイズ低減の影響が少なく、天体撮影ユーザーからも注目されています。

SONY α7 Vの詳細を見る

利用者から評価されている点

バッテリー持ちの大幅な改善

α7 Vで多くのユーザーから高く評価されているのがバッテリー性能です。公式スペックではモニター使用時に約750枚の撮影が可能とされていますが、実際の使用でもα7 IVと比較して明らかに持ちが良くなっているとの報告が相次いでいます。

あるレビューでは、氷点下の環境で3回の撮影に持ち出したにもかかわらず、バッテリーが約3分の1も残っていたとされています。従来は予備バッテリーを2〜3本持ち歩いていた方でも、1本あれば1日の撮影に余裕で対応できるようになったという声が多く聞かれます。

4軸マルチアングル液晶の操作性

α7 Vには、上下だけでなく横方向にも展開できる「4軸マルチアングル液晶」が搭載されています。縦位置でのローアングル撮影や、三脚にカメラを固定したままでの自由なアングル調整など、従来のチルト液晶では難しかった撮影スタイルに対応できます。

また、カメラを縦に構えると画面表示も自動で縦向きに切り替わる機能も搭載されており、ポートレート撮影時の使い勝手が向上しています。

電子シャッター歪みの大幅低減

部分積層型センサーの採用により、読み出し速度がα7 IV比で4.5倍に向上しました。これにより電子シャッター使用時のローリングシャッター歪みが大幅に低減され、高速で回転するプロペラなどを撮影しても歪みが気にならないレベルになっています。

グローバルシャッター搭載のα9 IIIには及ばないものの、日常的な撮影シーンでは電子シャッターをメインで使用しても問題ないレベルに達しているとされています。静音撮影が必要な場面でも安心して電子シャッターを選べるのは大きなメリットです。

気になる点・購入前に知っておきたいポイント

付属品の削減

α7 VにはACアダプターとUSBケーブルが付属していません。α7 IVには同梱されていたため、買い替えユーザーからは残念という声が上がっています。USB PD対応の充電器やケーブルを別途用意する必要がある点は、購入前に把握しておきたいポイントです。

一部サードパーティレンズとの互換性

一部の中華製サードパーティレンズで、AFが不安定になるケースが報告されています。近距離では合焦してもシャッターが切れるものの、遠距離ではAFが動作しないという症状が出ることがあるようです。

ただし、TAMRONやSIGMAなど国内メーカーのレンズでは問題なく動作しているとのことです。また、レンズ側のファームウェアアップデートで解決が見込まれるケースも多いため、購入前にお使いのレンズの対応状況を確認することをおすすめします。

オープンゲート動画非対応

動画撮影を重視するユーザーからは、「オープンゲート」(センサー全域を使った動画撮影モード)に対応していない点への不満の声があります。縦型動画を後から切り出したい用途には対応できないため、この機能を必要とする方は上位機種のα1 IIやα7S IIIを検討する必要があります。

α7RVとの価格差

α7 Vの実売価格は約42万円ですが、高画素モデルのα7RVも現在は価格がこなれてきており、その差は縮まっています。画素数や解像度を重視する方は、α7RVも比較検討の対象に入れておくとよいでしょう。

SONY α7 Vの詳細を見る

他の製品と比べて

α7 Vの購入を検討する際、比較対象となりやすいのがCanon EOS R6 Mark IIIとNikon Z6 IIIです。いずれも同価格帯のフルサイズミラーレスとして、それぞれ特徴が異なります。

項目SONY α7 VCanon EOS R6 IIINikon Z6 III
有効画素数約3300万約2400万約2450万
連写速度(電子)約30コマ/秒約60コマ/秒約20コマ/秒
動画4K 120p4K 60p4K 120p
手ブレ補正最大7.5段最大8.5段最大8.0段
低輝度AFEV-4EV-6.5EV-10
実売価格帯約42万円約35万円約35万円

画素数ではα7 Vが最も高く、トリミング耐性や大判プリントでは有利です。一方、暗所でのAF性能はNikon Z6 IIIが優れており、薄暗い室内や夜間撮影を重視する方には魅力的な選択肢となります。

連写速度ではCanon EOS R6 IIIが突出していますが、α7 Vの30コマ/秒でも野鳥やスポーツ撮影には十分な性能です。また、α7 Vにはプリ撮影機能があるため、決定的瞬間を逃しにくいというメリットがあります。

すでにソニーEマウントのレンズ資産をお持ちの方は、レンズ資産を活かせるα7 Vが自然な選択となるでしょう。一方、これからシステムを揃える方は、撮影スタイルや重視する性能に応じて選択することをおすすめします。

購入前によくある質問

α7 IVからの買い替えは必要ですか?

30コマ/秒連写やプリ撮影機能、AI被写体認識AFを活用したい方には、買い替えの価値があります。特に野鳥撮影やスポーツ撮影など、動く被写体を撮ることが多い方は、AF性能の向上を実感できるはずです。一方、風景撮影やポートレートがメインで現状に不満がない方は、α7 IVでも十分な性能を発揮できます。

初心者でも使いこなせますか?

AIオートホワイトバランスや被写体認識AFなど、カメラ任せで撮影できる機能が充実しているため、フルサイズ入門機としても適しています。ただし本体価格が40万円を超えるため、カメラに慣れてから購入を検討するのも一つの選択肢です。

α7RVとどちらを選ぶべきですか?

画素数(解像度)を重視するならα7RVを、連写性能や動画性能を重視するならα7 Vを選ぶのが基本的な考え方です。α7RVは約6100万画素で風景撮影や商品撮影に適しており、α7 Vは約3300万画素ながら高速連写と動画性能に優れています。

どのレンズから揃えるべきですか?

標準ズームとして「FE 24-70mm F2.8 GM II」や、コストパフォーマンスを重視するなら「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS II」がおすすめです。α7 Vと同時発売された後者のキットレンズは、軽量かつ高画質でスナップ撮影に適しています。

どこで買える?

α7 Vは全国の家電量販店、カメラ専門店、そしてオンラインストアで購入可能です。ソニーストア直販価格は416,900円(税込)で、Amazonでの販売価格は416,800円前後となっています。

在庫状況は流動的で、発売直後は品薄が続いていました。現在は徐々に供給が安定してきていますが、人気商品のため購入を決めている方は早めの確認をおすすめします。

Amazonで購入する場合は30日間の返品対応があるため、実際に手に取ってから判断したい方にも安心です。また、ソニーストアでは3年間のワイド保証が選択できるため、長期間安心して使いたい方は公式ストアでの購入も検討してみてください。

まとめ

SONY α7 Vは、「ベーシックモデル」という位置づけでありながら、フラッグシップ機に迫る性能を実現したミラーレスカメラです。30コマ/秒のブラックアウトフリー連写、プリ撮影機能、AI被写体認識AF、そして大幅に改善されたバッテリー性能は、これまでのα7シリーズとは一線を画す進化といえます。

α7 Vが向いているのは、動く被写体を撮影することが多い方、静止画と動画の両方を1台でこなしたい方、そしてソニーEマウントのレンズ資産をお持ちの方です。野鳥撮影、スポーツ撮影、子供の運動会など、決定的瞬間を逃したくないシーンで本領を発揮します。

一方、風景撮影メインで連写性能を重視しない方、予算を抑えたい方、オープンゲート動画が必要な方は、他の選択肢も検討する価値があります。

42万円という価格は決して安くありませんが、得られる撮影体験の質を考えれば、十分に価値のある投資といえるでしょう。「撮りたい瞬間を確実に残したい」という方には、ぜひ検討していただきたい1台です。

SONY α7 Vの詳細を見る

※ この記事には広告・PRが含まれています。当サイトのリンクを経由して商品をご購入いただくと、サイト運営者に報酬が支払われる場合があります。読者の皆様に追加費用が発生することはありません。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次